出題は方言ラボ辞典に収録している語だけです。出典を1語ずつ照合した語を先に出し、辞典が他の方言にも同じ語を収録している場合は その場で併記します。方言には地域差・世代差があり、 ここでの「答え」は辞典の語釈であって、あなたの言葉が間違いという意味ではありません。
📚 阿波弁とは(徳島県)
四国方言の中で最も関西弁の影響が強く、アクセントは京阪式。断定は「じゃ/や」、女性は文末に「〜じょ」、強調は「〜でよ」、理由は「〜けん」。進行は「〜よん」(いっきょん等)。接続詞「ほな/ほなけん(だから)」を多用。「せこい=疲れた・苦しい」に注意。
阿波弁は徳島県のことばで、「徳島弁」と呼ばれることもあります。
辞典には阿波弁を97語収録。8問中8問は出典と1語ずつ突き合わせた語です (「この方言どこの言葉?」の出題プールと検定用の照合リストから出題)。どの資料で確かめたかは下に1語ずつ書いています。
出題語の例:ほなけん・どちらいか・こんまい・えっとぶり・もんてくる
📋 阿波弁検定の答え・解説・出典(8語)
出題した8語は、答えも解説も出典も隠していません。 先に見ると検定の答えが分かってしまうので、開くかどうかは自分で決めてください。
📋 8語の答え・解説・出典を開く(ネタバレを含みます)
ここでの「答え」は辞典の語釈で、あなたの言葉が間違いという意味ではありません。
第1問 「ほなけん」の意味は?
- 本当に
- だから(正解)
- それではさようなら
- 骨が折れる
「だから」の意味の接続詞。「ほなけんど」なら「だけど」。
辞典の語釈:ほなけん … だから/例:ほなけん、言うたやろ。
出典・照合メモ:「この方言どこの言葉?」の出題プールに収録(出典照合済み)。
同じ意味の語を、辞典はこの方言にも収録:新潟弁「だすけ」・岡山弁「じゃけえ」・伊予弁「ほじゃけん」・博多弁「やけん」
第2問 「どちらいか」の意味は?
- どちらですか
- どっちでもいい
- どういたしまして(正解)
- どちら様ですか
お礼への返事「どういたしまして」。徳島市中心部でよく使われる。
辞典の語釈:どちらいか … どういたしまして/例:「ありがとうよ」「どちらいか」
出典・照合メモ:大修館書店 WEB国語教室「おくにことばの底力!」第8回『四国のあいさつことば ――何ができよんな・たまるか・どちらいか・いんでこーわい…』(岸江信介・徳島大学教授、2019年11月1日)=「ドチライカ=『どういたしまして』(徳島県・香川県)」。同記事は四国の挨拶語を県別に整理しており、讃岐弁でも使用
同じ意味の語を、辞典はこの方言にも収録:秋田弁「なんも」・伊予弁「いーえのことよ」
第3問 「こんまい」の意味は?
- 小さい・細かい(正解)
- 混んでいる
- 今度
- ごまかす
「細かい」が変化した語で、小さいものに使う。
辞典の語釈:こんまい … 小さい、細かい/例:こんまい犬がおるでよ。
出典・照合メモ:国立国語研究所『全国方言談話データベース 日本のふるさとことば集成』第16巻 香川・徳島(国書刊行会/国立国語研究所学術情報リポジトリで全文公開)の徳島県阿南市富岡町トノ町 1981年収録の談話に「イラワ ヤッパリ コンマイナ=イラは やはり 小さいね」の実例(トラック徳島21)。文化庁「各地方言収集緊急調査」の録音を文字化し共通語訳を付けた一次資料。同巻の香川(観音寺市池之尻町)側にも「コンマイ イケ=小さい池」など3例あり、讃岐と共通する四国の語 → multi。神戸弁・広島弁などの「こまい」と同系
同じ意味の語を、辞典はこの方言にも収録:岡山弁「こめー」・山口弁「こまい」
第4問 「えっとぶり」の意味は?
- 考え込むこと
- 久しぶり(正解)
- たくさん
- 得意げ
「えっと(長い間)+ぶり」で「久しぶり」。
辞典の語釈:えっとぶり … 久しぶり/例:えっとぶりに会うたなあ。
出典・照合メモ:「この方言どこの言葉?」の出題プールに収録(出典照合済み)。
同じ意味の語を、辞典はこの方言にも収録:信州弁「はーるかぶり」・名古屋弁「やっとかめ」・飛騨弁「やっとかめ」・伊勢弁「やっとかぶり」・神戸弁「せんどぶり」・土佐弁「おとどしい」
第5問 「もんてくる」の意味は?
- 文句を言ってくる
- 持ってくる
- 帰ってくる(正解)
- もたれてくる
「戻ってくる」が変化した形。「もんといで」=帰っておいで。
辞典の語釈:もんてくる … 帰ってくる、戻ってくる/例:はよもんてきいよ。
出典・照合メモ:国立国語研究所『全国方言談話データベース 日本のふるさとことば集成』第16巻 香川・徳島の徳島県阿南市富岡町トノ町 1981年収録の談話に2例。「ワシ ホノ ナカヤマカラ モンテキョッタ ジブンニ=私はその中山から帰ってきていた頃に」(徳島35)、「ムロド トオッテ コッチー モンテキタンヨ。=室戸を通ってこちらへ帰ってきたのよ。」(徳島38-2)。共通語訳が「帰ってきた」そのもの。同巻の香川側にも9例(「タカマツエ モンテ=高松へ戻って」など)→ 四国で広く使う語 → multi
第6問 「いける」の意味は?
- 行くことができる
- かっこいい
- お酒が強い
- 大丈夫・問題ない(正解)
「いける?(大丈夫?)」「いけるいける」と日常で多用される。
辞典の語釈:いける … 大丈夫、問題ない/例:これ、まだ食べてもいける?
出典・照合メモ:徳島新聞 阿波弁260語番付表(2017年8月17日・徳島大 岸江信介教授)=東の横綱が「いけるで(大丈夫ですか)」。同紙2024年6月22日の阿波弁エピソード記事にも「いける=大丈夫ですか」
※ 辞典は同じ語を神戸弁にも収録しています(阿波弁だけの言葉ではありません)。
第7問 「せこい」の意味は?
- けちだ
- ずるい
- 狭い
- 疲れた・苦しい(正解)
標準語の「けち」ではなく、体がしんどい・苦しい状態を表す。
辞典の語釈:せこい … 疲れた、(体が)苦しい/例:坂道を上ってきて、せこいわ。
出典・照合メモ:徳島新聞「いけるで・せこい…阿波弁260語の『番付表』徳島大教授作製」2017年8月17日=岸江信介教授(日本語学)のゼミで作った番付表の西の横綱が「せこい(苦しい)」。同紙【阿波弁今昔】㉝「せこい」(中)(2020年12月11日)は『日本方言大辞典』(1989)を引き、精神的つらさの意は四国各県と岡山県、身体的苦痛の意は徳島県と淡路島と整理している
※ 辞典は同じ語を和歌山弁・山口弁にも収録しています(阿波弁だけの言葉ではありません)。
第8問 「まけまけいっぱい」の意味は?
- あふれそうなほど満杯(正解)
- 負けてばかり
- おまけ付き
- やる気満々
液体が「まける(こぼれる)」寸前まで注がれた状態。
辞典の語釈:まけまけいっぱい … あふれそうなほど満杯/例:お茶をまけまけいっぱい注いでしもた。
出典・照合メモ:JapanKnowledge 小学館「日本語、どうでしょう?」第360回(神永曉・元小学館辞典編集部編集長)=『日本国語大辞典』の「まける=水などがこぼれる。あふれる」の使用地域は「兵庫県淡路島/岡山県岡山市・児島郡/徳島県/香川県/愛媛県/高知県」。同記事は篠崎晃一氏の報告として「『まけまけ』はあふれそうになるほどなみなみと注ぐこと…四国出身者が方言と気付かずについ使ってしまうことば」。讃岐弁でも使用
※ 辞典は同じ語を鳥取弁・讃岐弁にも収録しています(阿波弁だけの言葉ではありません)。
📖 阿波弁を、読みものでもう一歩
方言ラボが書いた解説記事です。ことばの背景を知ってから使うと、変換の結果の見え方も変わります。
🔤 阿波弁だけの語で、他の方言に言い換えがあるもの(19語)
全35方言の辞典で阿波弁にしか立項が無い語が、97語中49語。 出題語はネタバレを避けて外しています。 この節はそのうち、同じ意味の語が他の方言にもあるもの。語形は阿波弁固有でも、言いたいことは他の土地にも通じます。
| 阿波弁の語 | 辞典の語釈 | 他の方言での言い方 |
|---|---|---|
| なんしょん | 何してるの? | 讃岐弁「なんしょん?」/沖縄方言「ぬーそーが」 |
| おっきょい | 大きい | 仙台弁「ずねえ」/福島弁「ずねー」/茨城弁「えがい」/静岡弁「ずない」/出雲弁「いかい」/山口弁「いかい」 |
| つまえる | 片付ける | 土佐弁「くるめる」 |
| ひだるい | お腹がすいた | 博多弁「ひだるか」/大分弁「ひだりい」 |
| おぶける | 驚く、びっくりする | 鳥取弁「おどける」/出雲弁「おべる」/山口弁「たまがる」/讃岐弁「おおける」 |
| きにょう | 昨日 | 福島弁「きんにょ」/茨城弁「きんな」/富山弁「きんのー」/名古屋弁「きんのう」/出雲弁「きんにょ」/岡山弁「きにょー」 |
| たいそう | 面倒くさい | 鹿児島弁「てそか」 |
| たりっちぇる | 落ちる | 茨城弁「おっこちる」/熊本弁「あゆる」 |
| ちょっぴん | 少し | 南部弁「ぺあっこ」/福島弁「ちんと」/茨城弁「ちっと」/出雲弁「ちょんぼし」 |
| やりこい | やわらかい | 仙台弁「やっこい」/茨城弁「やっこい」/富山弁「やこい」/信州弁「しなっこい」/広島弁「やおい」/山口弁「やおい」 |
| あっこ | あそこ | 富山弁「あこ」/伊勢弁「あこ」 |
| かいらしい | かわいらしい | 仙台弁「えらすこい」/新潟弁「いとしげ」/金沢弁「いちゃけな」/博多弁「あいらしか」/大分弁「えらしい」/熊本弁「むぞらしか」 |
| おげった | 嘘つき | 津軽弁「うそこぎ」/秋田弁「うそこぎ」/福島弁「うそこぎ」/新潟弁「うそこき」/鳥取弁「とっぱーけ」/山口弁「せんみつ」 |
| かいい | かゆい | 大分弁「はじけえ」/鹿児島弁「かいか」 |
| おかっこまり | 正座 | 信州弁「おつくべ」/讃岐弁「おかっこ」 |
| たおる | (角を)曲がる | 熊本弁「まぎる」 |
| 〜つかい | 〜してください | 南部弁「けんだ」/仙台弁「けさいん」/福島弁「〜なんしょ」/名古屋弁「してちょー」/京都弁「おくれやす」/熊本弁「はいよ」 |
| くだける | 壊れる | 名古屋弁「こわける」/伊勢弁「くじゃける」/神戸弁「めげる」/岡山弁「めげる」/山口弁「やぶれる」/讃岐弁「めげる」 |
| 〜じょ | 〜だよ(念押しの語尾) | 信州弁「〜だに」/名古屋弁「だがや」/飛騨弁「やさ」/伊勢弁「やに」/鳥取弁「わいや」/伊予弁「〜わい」 |
※「同義」は辞典の語釈が一致した語で、ニュアンスまで同じとは限りません。
🗝️ 阿波弁だけの語で、言い換えが見つからないもの(30語)
同じ語釈の語が、全35方言の辞典のどこにも出てこなかった語です。阿波弁検定でいちばん徳島県らしさが出るのはこの並びだと思います。
- あるでないで … あるじゃないか
- いっきょん … (今)行っている
- あばさかる … 調子に乗ってはしゃぐ
- あらくたい … 荒っぽい
- いがむ … ゆがむ
- いんぐりちんぐり … 不揃い、ばらばら
- がい … 気が強い、頑固
- せせくる … いじる、いじくり回す
- わかいし … 若い人
- こっしゃえる … 作る、こしらえる
- とろこい … 動作が鈍い
- いきしな … 行く途中
- おじくそ … 臆病者、弱虫
- しわしわ … ゆっくり
- おひーさん … 太陽、お日さま
- おわれる … 追いかけられる
- きぶい … (坂などが)急できつい
- せられん … してはいけない
- ほなけんど … そうだけど、でも
- いっちょもない … ひとつもない
- あほいきに … むちゃくちゃに、やたらと
- かー … ちょうだい
- はさかる … 挟まる
- はめる … (仲間に)入れる
- ちっか … ちくわ
- さっきない … ついさっき
- きゃっきゃがくる … イライラする、腹が立つ
- ごじゃはん … めちゃくちゃなこと、でたらめ
- ほにほに … ほんとにほんとに、そうだそうだ
- ほこ … そこ
※ この辞典に限った話で、近隣で同じ語を使うことはあります(方言は県境で切れません)。
例文つきの語釈は変換ページ側にまとめています。
⚠️ 同じ語形でも、他の方言では意味が違う語(21語)
阿波弁検定の答えは辞典の阿波弁の語釈で判定しています。 下の語は同じ語形が別の方言にも立項されていますが、そちらでは意味が違います。 他の地方の出身者と話が食い違うのは、たいていこの型です。
| 語 | 阿波弁での意味 | 他の方言での意味 |
|---|---|---|
| かんまん | かまわない、大丈夫 | 長崎弁では「かまわないよ」 |
| いぬ | 帰る | 岡山弁では「帰る・去る」 |
| いらう | 触る | 京都弁では「触る、いじる」/広島弁では「触る・いじる」 |
| てれこ | あべこべ、ちぐはぐ | 伊勢弁では「あべこべ、互い違い」/神戸弁では「あべこべ、入れ違い」 |
| ごんた | わんぱくな子 | 伊勢弁では「いたずらっ子、わんぱく」/神戸弁では「わんぱく、いたずらっ子」 |
| ごっつい | とても、すごい | 大阪弁では「すごい、とても」 |
| ぬくい | 暖かい | 大阪弁では「あたたかい」 |
| あんじょう | うまく、上手に | 大阪弁では「うまく・具合よく」/神戸弁では「うまく、具合よく」 |
| えっと | 長い間 | 鳥取弁では「たくさん」/広島弁では「たくさん・多く」/山口弁では「たくさん、長い間」 |
| かく | (机などを)担いで運ぶ | 讃岐弁では「(机などを二人で)持ち運ぶ」/伊予弁では「(机などを複数人で)運ぶ」/大分弁では「担ぐ・持ち上げる」 |
| べっちょない | 大丈夫、問題ない | 神戸弁では「大丈夫・問題ない」 |
| ばんげ | 夕方、晩 | 山形弁では「夕方・晩」/茨城弁では「夕方・晩」/鳥取弁では「晩、夜」 |
| へらこい | ずる賢い | 讃岐弁では「ずるい・ずる賢い」 |
| たっすい | 頼りない、しょうもない | 土佐弁では「頼りない・物足りない」 |
| つべ | お尻 | 讃岐弁では「おしり」 |
| わい | わたし、僕(一人称) | 長崎弁では「おまえ」 |
| ずつない | (腹一杯などで)苦しい | 飛騨弁では「苦しい、しんどい」 |
| せんど | 長い間、さんざん | 信州弁では「さんざん・何度も」/伊勢弁では「何度も、たびたび」 |
| そばえる | 甘えてじゃれる、ふざける | 岡山弁では「ふざける、じゃれる」 |
| けんびき | 肩こり、首筋の凝り | 岡山弁では「肩や首筋の凝り」 |
| ぞめく | 浮かれて騒ぐ | 伊勢弁では「あてもなくぶらぶら歩く」 |
※ 辞典に立項がある方言だけを比べた結果です。同じ語形が地方で別の意味になるのは 方言では珍しくなく、どちらかが誤りという話ではありません。
🧭 同じ四国の方言と重なっている語
- 讃岐弁と共通して収録している語:12語(へらこい・うちんく・めげる・おげなど)
- 伊予弁と共通して収録している語:4語(かく・おげ・めいぼ・おせなど)
- 土佐弁と共通して収録している語:1語(たっすいなど)
🥁 阿波弁のキャラ「踊る楽天家」
踊る阿呆に見る阿呆、なら踊らにゃ損
阿波おどりの血が騒ぐ、リズム感抜群のポジティブ人間。「まけまけいっぱい」の人生を楽しみ、落ち込んでもすぐ立ち直ります。あなたが輪の中心にいると、自然と祭りが始まります。
恋愛・人間関係:楽しさ最優先の恋。一緒に笑える相手となら、どこまでも行ける。
あるある:8月になると体が勝手に二拍子を刻み出す。
同じ四国の検定にも挑戦
📝 阿波弁検定のまとめ
- 阿波弁検定は全8問の4択。8問は出典と1語ずつ突き合わせた語で、8問中6問(8割)で合格バッジが出ます。
- 辞典の阿波弁は97語。うち49語は、全35方言の中で阿波弁にしか立項がありません。
- いちばん間違えやすいのは、同じ語形で意味が違う21語。 出身地が違う人と話が食い違うのは、たいていこの型です。
- 出題した8語は、答え・解説・出典まで全部このページに書いてあります。阿波弁を知らなくても、読んでから受け直せば解けます。
次の1アクション:まず8問だけ試してみてください。1分で終わります。
公開: 最終更新: